近年のフィギュアスケート国際大会では、かつて圧倒的な強さを誇っていたロシア選手の姿を見かけなくなりました。
なぜロシアは出場していないのでしょうか?
ロシアは長年にわたり女子シングルを中心に多くのスター選手を輩出し、「ロシア旋風」と呼ばれる黄金時代を築いてきました。
しかし現在、国際大会はもちろん、オリンピックへの参加も制限されています。
本記事では、ロシアが除外された理由や経緯、そしてオリンピックやフィギュアスケート界全体への影響をわかりやすく解説します。
なぜロシアはフィギュアスケートに出場してないのか

ロシアが国際大会から除外されたのは、2022年2月のウクライナ侵攻が発端です。
国際オリンピック委員会(IOC)は、ロシアおよびベラルーシの選手や関係者を国際大会から除外するよう勧告。
これを受けて、国際スケート連盟(ISU)は両国の選手を世界選手権などすべてのISU主催大会から排除しました。
以降もISUはウクライナへの侵攻に抗議する立場を維持し、除外措置を継続しています。
ロシア除外の背景にある政治的・国際的要因

ロシアが国際社会から排除される背景には、主にウクライナ侵攻と、それ以前から続いていた国家ぐるみのドーピング問題が挙げられます。
国家主導のドーピングスキャンダルは2010年代から問題視されていました。
ロシアはすでに平昌五輪や東京五輪でも「ROC(ロシア・オリンピック委員会)」として国旗・国歌なしでの参加を余儀なくされていました。
そこに2022年の軍事侵攻が重なり、国際社会の非難が一層強まりました。
結果として、経済や政治だけでなく、スポーツ・文化といった分野でもロシアの孤立が進むこととなったのです。
除外によるフィギュアスケート界への影響
ロシア除外の影響は、フィギュアスケート界においても非常に大きいものとなっています。
かつて女子シングルではワリエワ、シェルバコワ、トゥルソワら若手選手が表彰台を独占していました。
しかし彼女たちが国際大会に出場できなくなったことで、世界選手権やグランプリシリーズの勢力図が大きく変化しました。
また、グランプリシリーズの開催地からロシアが外れたことにより、大会スケジュールや出場枠の再編も行われています。
SNS上では、ロシア選手の不在を惜しむ声が多く見られます。
「4回転を難なく跳んで可愛かった」「ロシア勢の高難度ジャンプは異次元だった」「またロシア勢の演技が見たい」といった投稿が並び、かつての“ロシア旋風”を懐かしむファンの声が目立ちます。
一方で、「スポーツに政治を持ち込むのは複雑」「ドーピング問題の信頼回復が先」といった慎重な意見もあり、ファンの間でもさまざまな思いが交錯しています。
さらに、ドーピング問題の影響で「ロシアのフィギュア界に再び汚点がついた」と報じられるなど、国際的な信頼回復にも時間がかかる状況です。
2026年冬季オリンピックへの影響と今後の展望

2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピックでも、ロシアは国としての参加が認められず、「個人の中立選手(AIN)」としてのみ出場可能となっています。
国旗や国歌の使用は禁止され、団体戦には参加できない方針です。
これは2024年パリ五輪で適用された措置と同様の扱いです。
ロシア勢の復帰を待ち望む声も根強く、「ロシア女子は世界トップクラス。スピードも演技力も群を抜いていた」「中立参加でもいいから見たい」といったコメントも寄せられています。
その一方で、「政治的な問題が解決しない限り難しいのでは」とする冷静な意見も少なくありません。
IOCは「オリンピック憲章に基づく政治的中立」を掲げ、制裁を支持する国々と、ロシア選手の参加を認めるべきだとする国々の間で難しい調整が続いています。
今後も、中立選手制度を維持しつつ、個々の選手が「戦争を支持していない」と確認された場合にのみ出場を認める厳格な方針が続く見込みです。
まとめ
ロシアがフィギュアスケート国際大会に出場できないのは、単なるスポーツ上の問題ではなく、国際政治・倫理・規範が深く関わる問題です。
長年世界をリードしてきたロシア選手の不在は競技の流れを大きく変えましたが、その一方で新たなスター選手の台頭や国際的な公平性の議論も進んでいます。
SNS上では今も「ロシア勢の演技をもう一度見たい」という声が絶えず、彼女たちの存在がいかに特別だったかを物語っています。
今後、ロシアが国際舞台に戻るためには、政治的な解決とともに、スポーツ界としての信頼回復が欠かせないでしょう。

 
  
  
  
  

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